欧州教育事情視察旅行記 15ページ

欧州教育事情視察旅行記  ロンドンにて……おまけのパブの話

 この日の夕食はホテルでとる。
 そしてせっかくだからと,パブへ行くことになる。
 パブとはパブリックバーの略である。つまり日本流に言えば,居酒屋である。
 「シャーロック・ホームズ」という名前のパブへと出かけた。
Sherlock Hoimesの前にて  シャーロック・ホームズといえば,架空の人物である。しかし,小説の記述通りに「ホームズの部屋」を再現し,彼の愛用品の数々を飾るという熱烈なファンがつくった店だそうな。
 日本の居酒屋と違うところは,飲物を注文するとその場で代金を払うということだ。
 スコッチウイスキーの本場なので,せっかくだから「Scotch whysky」と言うとすぐに通じて,オンザロックで出てきた。
 石原氏が「コークハイがいいわ。」と言うので注文にカウンターへ行く。ちなみにコークハイとはウイスキーをコーラで割ったものである。さっそくカウンターのお兄さんに「コークハイ」と言うが全然通じない。
 もう一回言うと,「そりゃ何だ?」と聞くので,発音が悪いのかな?と思ってもう一度しつこく「コークハイ」と言うと,今度は「そりゃカクテルか?」と聞く。
 やっぱりコークハイじゃダメなんだと思って,算数の式で言う。「ウイスキープラスコカコーラ」そうすると,何と「OK」と通じたのだ。
 うーん,何とかなるもんだと我ながら感心する。ちなみにここでは正しくは,「コークドウイスキー」と言うらしいことが,次の日行ったパブで分かった。
 次におつまみを注文しようということになる。
 そこでまたカウンターへ行く。毎度おなじみ「Do you have」で聞く。
 「Do you have a menu ? 」である。するとカウンターのお兄さん,えらくぺらぺらと英語をしゃべる。
 さっぱり分からない。もうちょっとゆっくりしゃべってよ,と言いたいところだが,どう考えても,そう言ったところで正確に分かるとも思えない。こうなりゃ最後のせりふだ。
 「I cannot understand!」である。
 何でも言ってみるものである。カウンターのお兄さんあきらめて,「Follow me 」と言うのでついていく。
 すると反対側の壁にメニューが書いてある。しかし,オニオンだとか,チーズだとかは読めるのだが,いったいそれがどういうものになって出てくるのか分からない。でもそんなことは言ってられないので,上から2番目を指さして,人数から考えて「Two」と言う。
 「ここで待たなければならないか?」と聞くと,「座席でいい。」という答えだったので座って待つ。
 そして出てきたものは,何だか変なものであった。豆のケチャップあえみたいやつ,チーズ,あとなんだろうか,ろくに食べなかったので覚えていない。イギリスのパブのおつまみってこんなものなのだろうか? 
 さてここでまた問題。2つおつまみを注文したので,フォークとナイフも2組しか来ない。
 もらってきて,と言われて再びカウンターに行く。そして,「I want fork 」と言ったのだが,悲しいかな通じない。
 カウンターのお兄さん「Pork ?」(豚肉?)と聞くじゃないか。
 そこで「No. Fork」と再び言ったのに,今度は「OK.Coke」(わかった。コカコーラだ)と言って,コカコーラをグラスに入れそうになる。
 「No! No! Fork」と言って,手振りをするとようやく分かってくれた。なんだ,こんなことなら,初めから両手使って食事するまねして,フォークと言えばよかったのだ。
 いやほんと,意志を通じさせるって苦労するね。
 その後,またみんなが「ナッツ食べたい」というリクエストなのでカウンターへ行く。なんだかこの日は小間使いの日である。
 今度は楽に通じる。カウンターのお兄さんの言うナッツの種類も聞き取れるので,適当に3種類くらい注文した。
 という一日を終えて,ホテルへの帰りは,タクシーで帰ろうとしたが,1台しかつかまらない。
 女性陣を先に乗せて,その後なかなか来ないので,地下鉄に乗ることにした。
 ロンドンの地下鉄は,ニューヨークのそれのように恐ろしいということはない。
 仕事帰りの会社員がたくさん乗っていた。若いお姉さんも多数乗っていた。近くの駅まで1ポンドであった。

−−−−−−−−−−− 飛行機の仕切り線 −−−−−−−−−−