日本昔話「桃太郎(ももたろう)」第3話
「おじいさんが主役で桃太郎の出てこない桃太郎」

 昔,昔のことでした。
 あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
 おじいさんは山へ柴刈り(しばかり)に,おばあさんは川へ洗濯にでかけていました。
 最近おじいさんはボケてきたので,おばあさんは毎日おじいさんが帰ってくると聞きます。
「おじいさん,今日は何してきたの?」
 するとおじいさんは答えます。
「しばかった。」
 そう答えて,刈ってきた芝を背中からおろします。
 次の日も同じです。
「おじいさん,今日は何してきたの?」
 するとおじいさんは答えます。
「しばかった。」
 そう答えて,刈ってきた芝を背中からおろします。
 また次の日も同じです。
「おじいさん,今日は何してきたの?」
 するとおじいさんは答えます。
「しばかった。」
 そう答えて,刈ってきた芝を背中からおろします。
 さて,ある日のことです,山へ芝刈りに出かけたおじいさんは勢いよくおならをしました。
 その強烈なことったら,いつもおじいさんの周りに遊びにやって来る桃太郎の家来だったイヌもサルも気絶しました。
 飛んでいたキジも空から落ちてきました。それほどすごかったのです。
 その日も家へ帰ってくると,おばあさんが聞きました。 「おじいさん,今日は何してきたの?」
 するとおじいさんは答えました。
「くさかった。」

 以上「桃太郎」のお話でした。


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 ★ 岡 絵里からこのページにたどり着いたよい子のみなさんへ伝えたいこと ★

 日本昔話はインターネットで検索する前に,まずはお父さん,お母さんに語って聞かせてもらいましょう。インターネットの情報は時として危険に満ちあふれていますから,注意が必要です。
 もしも,お父さん,お母さんが忙しくて,お話をしてくれないか,本を読んでくれないのならば,自分で本を探して,読んでみましょう。本を読むことは大切なことです。
 あるいはお父さん,お母さんがそもそも日本昔話を知らないというちょっと寂しい大人ならば,あなたがお話を読んできて,逆にお父さん,お母さんに日本昔話を語ることもいいことです。
 また,学校図書館の司書の先生や,図書館の司書の方に尋ねるのもいい方法です。コンピュータの画面よりも人間の方がとても面白いですよ。

「ことごとく書を信ずれば,すなわち書無きにしかず。」(孟子)

「ことごとく情報を信ずれば,すなわち情報無きにしかず。」(絵里)

 おまけですが,「放屁(ほうひ)」という言葉を知っていますか?「おならをする」という意味です。
 私はこの言葉を中学2年生の時の国語の教科書で知りました。
 太宰治の「富岳百景」という文章が載っていたのです。
 その中に
「井伏氏は,濃い霧の底,岩に腰をおろし,ゆっくり煙草を吸ひながら,放屁なされた。いかにも,つまらなさうであった」
 といった文章がありました。「『放屁』って『おならをすること』だよ。」と先生に聞いて,みんな笑いました。
 そして,私は思いました。「放屁」にも「なされた」なんて敬語をつけるんだ!そう感心しました。
 全くのおまけの話です。
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