では特別企画,担任の夏休みで印象に残ったこと。(一番じゃないけど)
人間ドック体験記
この夏休み,2泊3日の人間ドックに行く。小矢部にある公立学校共済組合北陸中央病院である。
今回が初めてではない。以前にも行ったことがある。今年は,ま,年齢も年齢なので,2000年を記念して行くことにした。まもなくやってくる読書の秋!じゃなく食欲の秋に向けて,しっかり検査をして,気持ちよくご飯が食べられるように(というよりも気持ちよくビールが飲めるように)ドックに行ってきた。日にちは夏休みもほとんど終わりに近い8月28日月曜日から30日水曜日までである。
2日前からは禁酒して下さいという人間ドックの案内を読んだのが前日の夕方。2日前の土曜日は当然のごとくビールを飲む。とても暑かった夏休み。晩のビールのうまいことうまいこと。だから夏やせなんてするわけがないのだが,とにかく2日前は知らず飲んでいた。
ということで,さすがに仕方なく前日は麦茶のみで夕食を食べる。しかしいつも思うのだが,ビールを飲まないとついつい食べ過ぎるのである。ご飯を。普段の夕食はビールのみで白いご飯は食べない。だから,ビールを飲まない日はついついご飯をおかわりをして食べてしまう。ビール飲まないでいた方が太るんじゃないかといつも思っているのだった。
ついてすぐまず検尿である。夕べ9時以降から飲み食い一切していない。検尿はいいとしておなかがすいて困る。
朝一番に体重測定がある。体脂肪もはかれるようになっているやつだ。
ちなみに体脂肪率12%であった。
さてそのあと3日間の日程の説明があるのだが,希望していなかったのに,いきなり胃カメラに指名される。前回の人間ドックでひっかかっていたのだ。前回バリウム飲んでの透析だったのだが,それでひかかり,胃カメラを飲んでいた。それで今回は初めから胃カメラに指名されてしまった。
あの胃カメラが,何回やっても泣けてくるんだよ。
注射も痛いけど,まず発泡剤とやらを飲まされて,その容器にのどの麻酔薬を入れて口に入れたまま数分待たねばならない。これがまたしんどい。今回この麻酔薬,看護婦さんが入れすぎて「あら,山盛りね。ま,いいわ。」とかなんとか言われて,そのままたっぷり口に入れて上向いていた。
次第に舌がしびれてくる。ようやくいいですよと言われて,この薬を吐き出し,ベッドに横になる。「麻酔打ちますか?」と聞かれて,前回も何もしなかったので,いいですよと言う。
しかし,ほんとのどをあの胃カメラが通るときは泣けてくる。苦しい!早くしてくれ!と言いたいが,声は出せない。出るのはよだればっかり。
胃カメラが胃壁にあたる感触がわかる。やっぱり胃にも神経があるんだなあと,胃カメラつっこまれながらも感心してしまう。
とにかくこの苦行が終わったのが12時である。
しかし2時間は飲み食い禁止。何っ!夕べ9時から何も食べていないのに,さらにこの後午後2時過ぎまで何も食べられないのか!
人間ドックって苦行が続くなあ。
午前中に胸部レントゲン撮影があった。
自分の直前の人はとにかく体格がいい。相撲部の××君どころではない。鳴中の相撲部の諸君といっても私と身長はどっこいどっこいである。しかし,その人は身長も私より10pくらい高い感じだ。それで,その人のレントゲン撮影に技師の人が手間取っている。なぜかというと,標準の撮影装置から身体がはみ出すからだ。特別に大きいフィルムを用意して,別の場所での撮影となる。
ちなみに食事の量は皆同じだ。この人はどう考えても私の2倍は食べそうである。この病院の食事で足りていたのだろうかと人ごとながら心配する私であった。
それから9時ちょっと前に75gブドウ糖負荷テストという糖尿病の検査のためにやたら甘い飲み物を飲まされる。これが夕べから初めて口にしたものだ。冷やしてあって,口当たりはいいが,とにかく甘い。
この後1時間後,2時間後に採血されることとなる。
あと,心電図,眼科,内科,鼻のレントゲン撮影などがあった。
眼科では順番待ちだったので,あわてて食堂に戻り昼ご飯を食べる。これが午後2時のことである。ようやくご飯にありつく。あまりの空腹で,何が何だか分からないうち,あっと言う間にたいらげる。
眼科で瞳孔が開くとかの目薬をさされるが,これが元に戻るのがずっと後である。本を読もうにも全くピントが合わない。暇つぶしをすることもできない。ようやく3m位先のテレビが,何とか見えるかという感じだった。
4時から聴力検査というのに,耳鼻咽喉科が混んでいて,5時ちょっと前だった。しかもあっと言う間に終わる。目がちゃんと見えなくて,本も読めず,結局夕食まで昼寝する。
1日目に大変だったこと,それは2食の食事後,毎回下剤を飲まなくてはならないことだ。
次の日に大腸の内視鏡検査があるので,腸を空っぽにするためだ。
とにかく夕食後には水を飲むように指示される。下剤飲んだあと,1時間おきに水300cc,3回飲むことということだった。都合1リットル近くの水である。1回300ccといっても缶ビール1本程度であるが,水だけ300ccはなかなか飲めない。缶ビールだとあっと言う間に飲めるのに,水300ccを3回というのはこれまた一苦労である。しかも病院はエアコンがきいていて汗をかかない。だからちっとものどが渇かないのだ。にもかかわらず,1リットルもの水をただ飲むだけというのはこれまた大変なのであった。
この晩は暇つぶしに本を読み,水の他にお茶を飲み飲み過ごしたのだった。
ちなみに次の日はもちろん朝食抜き。朝7時に大腸の中身(つまりウンコである)を出すために坐薬を入れる。しかも1時間後の8時には浣腸である。検査のためとはいえ,自分が人間であるよりも,何だか1本の管のような気がしてくる。よく考えたら,1本の管のまわりにいろいろくっついているのが生物かもしれない。
この大腸の内視鏡検査は胃カメラと違って気楽なものである。えーい,好きにしてくれっ,とばかりにベッドに横たわっておればいいのだから……
やはり暇な時間が多い。診察室の前で順番待ちである。そのため,移動には必ず本を持っていく。おかげでこの3日間のうち,1日目と2日目で1冊ずつ本が読めた。病院へは本を持っていく。これは大切なことである。
さて,いよいよ最終日である。この日もまた朝食抜きである。
午前中に肺機能検査を行いこれで終わりである。
あとは10時40分頃より最後の食事が出る。いちおうこの料理は豪華料理(?)と言っていいだろう。これまでは栄養中心の料理であったが,最後にヒレカツなんぞが出る。3日間の料理で一番カロリーの高い料理だ。といってもとにかくすべての料理が薄味である。確かに素材の味が生かされている。これぞ日本料理!という感じの薄味だ。
これまたおなかがすいているのであっと言う間に食べてしまう。この人間ドックで思ったことは,どうも自分の食事の速さがはやすぎると言うことだ。よくかんでいない。すぐに食べてしまう。おなかがすいているということもあるが,まわりの人がゆっくり食べているのに比べて,自分ははやい。これは同じものを食べているとよく分かることである。
さてこの食事が終わり,歯磨きをして,ベッドで少し待っていると一人ずつ呼ばれて先生の講評である。自分としては,この夏よく食べ,ついでによく飲み,元気だったのだが,どうも胃腸の調子が悪いのではないかと思っていた。しかし,胃カメラでは若干の胃炎だそうで,それ以上のものではないそうだ。しかし前回は胃炎すらも言われてなかったので,どうも3年6組の諸君が担任に精神的負担をかけているがゆえの神経性胃炎かもしれない。諸君,担任をいたわるように!
あとの細かい検査の結果はまだ来ていない。
とにかくこれが,今年の夏の人間ドック体験記である。
みんな,何はなくとも健康第一だぞ。しっかり身体に気を付けよう。そういえば自分の知っている子で,一番の早死には高校1年の秋にガンで死んだ子がいる。中3の時は特に病気には見えなかった。でもぐうたらしている生徒で,時々おなかが痛いとか言っていたような気がする。若いとガン細胞の成長も早い。体調悪くて,詳しく調べたらガンで,卒業した年の秋には死んでしまった。こんなのはまれだが,とにかくきちんとした食生活と,規則正しい時間の使い方をしていないとダメだぞ。何はなくとも身体が資本なのだ。いくら高校入ったって,元気でなければ意味がない。ぐうたら生活している人,ペットボトルのわけのわからんものばかり飲んでいる人,朝食抜きの人,栄養に偏りのある人,野菜食べない人,好き嫌いの激しい人,気をつけんなんよ。
ということで,来年は脳ドックにでも行ってこようかと思っている私であった。
(鳴和中学校 3年6組学級通信「energeia」 2000年9月8日,91号の裏に)