坂根先生へ
お久しぶりです。
ホームページも更新されていて,相変わらず精力的にやっておられるようで驚きます。
私はまだ京都にいます.永住するんじゃなかろうか・・・
ところで,まったくどうでもいいことなんですが,このあいだ柳田國男の「青年と学問」という本を読んでいたら,長い間不明だった金沢弁の言葉の語源が書いてあり,感動したので誰かに言いたくてメールしてしまう次第です。
父がよく「てーにもはんにも」という言葉を使っているのを,不思議に思っていました。
どういう意味だと聞いたら,
「うーん,いい服とかを着ていて,他人にそのことを指摘されたときとかに,『なーん,てーにもはんにも,これしかないがや』というように使う。要するに「これ一着しかない」ということだ」
という答えが返ってきましたが,語源はわかんないままでした。
柳田先生によると,近代以前の日本では祭りなどの非日常的な時空間を「ハレ」,日常的なそれを「ケ」とよんで区別しており,ハレのときに着る着物がハレギ,すなわち晴れ着であり,普段着はケギと呼ばれていたそうです。
「晴れ舞台」というときの「ハレ」もきっとこれでしょうね。
で,「てーにもはんにも」というのは,「ケにもハレにも」の訛りだそうで,それで父のような使い方になるということに合点が行きました。
☆☆PKPからの一言☆☆
「てーにもはんにも」なんて,初めて聞く言葉でした。
しかも,その言葉を覚えていて,また本の中にその答えを見つけるなんて,さすが舟木くんなのでした。
でも,「てーにもはんにも」を日常的に使う彼の父上にも感心する私なのでした。
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